桃李言わざれども、下自ら蹊を成す
by 史記 李将軍
徳がある人には何か特別なことをしなくても 自然と人々が集まって服するということです。
桃や李(スモモ)は言葉を発することはしませんが、
美しい花と美味しい実の魅力にひかれて人々が集まり、 その下に自然と道ができることを例えています。
どうしても、人は認めてもらいたい、または褒めて もらいたいという本能から、自分のプチ自慢をしがちです。
上司の立場で言えば、部下に対して、
「俺が若いころは○○なことをして、 実績をあげたもんだよ」といって武勇伝を 話したりします。
また時には、自分を尊敬してもらうために、
「こないだ社長から仕事ぶりをほめられて、 次期幹部候補とまで言っていただいたんだ」 などと自慢話をします。
桃李のような美しい花やおいしい果実には 勝手に人が集まってくるのと同じで、
本物のリーダーは人に慕われ、人に立てられて いくのだと思います。
そういった桃李のようなリーダーになるには 自分の都合など二の次で、
相手を心から思い、 その人の持っているものを引き出したり、幸せになってもらいたい、
という 気持ちであることが大切だということなのかもしれません。
特にリーダーである経営者が会社の発展にとても大切なのは、
謙虚になれるかどうかだと松下幸之助さんも言っています。
謙虚さが欠けると、その姿は鼻について、 下は近寄らなくなります。
近寄らなくなるから、大事な報告も あがってこなくなります。
そうすると、経営者は現場で何がおこっているかわからないので、
指し示す戦略、戦術がお門違いになったりします。
するとうまくいかなくなるので、ますます 部下のせいにしがちになり、
リーダーは孤立し、どんどん桃李の道から外れていきます。
少しでも桃李に近づくために、謙虚さを忘れないで生きていきたいものですね。
お読みいただきありがとうございました。