リーダーシップとはいったい何か?
この答えを見つけるために、組織行動論の観点から最初に考えられたのが、
・リーダーにふさわしい人はどんな人か
・リーダーはどのような発言、行動をすれば、チームは一丸となるのか?
という問いの答えを探すものでした。
よく言われるのが、カリスマ性、責任感、人間力、信頼関係、コミュニケーション力など、
とても抽象的な言葉が使われます。
そして、部下に尊敬される振る舞い、発言、弱みを見せてはいけない、などとも言われます。
リーダーになった方、または目指す方はこれらを身につけようとします。
それはそれでもちろん大事なことですし、リーダーということだけでなく、
人間として大切な能力でもあると思います。
しかし、研究者が導いた答えは違ったものでした。
この上の二つの問いでは、ある条件では、機能するが、 異なる条件では機能しない、
などの結果が現れるようになったのです。
そこで、ひとつの仮説が立てられました。
組織行動の中に、ひとつの決まった答えがあるのではなく、 状況に応じて、
やり方を変える必要があるのではないか、という観点から研究がはじまったのです。
この研究を行ったのが、フレッド・フィードラー博士で、まず職場環境を3種類に分類しました。
1. リーダーとメンバーの信頼関係はあるのか
2. 業務がルーチンであるのか
3. リーダーの報酬や権限の度合いがどれくらい大きいか
そして、リーダー像を2種類に分類してみたのです。
一人はきっちりしていて細かく指示をだし、部下からの提案も あまり受け入れないタスク型リーダー。
もう一人は全体的にルーズで指示もあまり細かくなく、どちらか というと人間関係を重視するリーダー。
結果は、職場環境が信頼関係があり、業務もルーチンであり、リーダーの権限が与えられている場合、
タスク型リーダーの方が成果がよかったのです。
では、逆の場合はどうか。
信頼関係もない、業務もルーチンではない、リーダーの権限が低い場合、
これもタスク型リーダーの方が成果が高かったのです。
では、人間関係重視のリーダーは、ダメなのかというと、職場環境が中間ぐらいだと、
タスク型よりもよい成果を出すそうです。
確かに、企業全般を見て、人として魅力を感じるような上司もいますが、
部下としては嫌いでも仕事の細かい指示を出してくれる方が、わかりやすいし、成果もでやすい。
そして、成果もでれば、仕事も面白くなるでしょうから、育成もされていくのでしょう。
となると、リーダーは職場環境をかんがみて、リーダー像を変えることも必要なのかもしれません。
タスク中心でいったり、人間関係中心でいったり、状況に合わせて、 自分が変えていく必要がありそうです。
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