人間の脳は忘れるように設計されている、ということを、
実験によって突き詰めたのがエビングハウスという心理学者です。
実は心理学では、記憶の研究よりも前に、忘却の研究の方が先に行われていたのです。
エビングハウスの実験はどんなものかというと、
意味のないアルファベットを3個一組でたくさん覚えさせて、
その記憶が忘れられていくスピードを調べました。
その結果、わずか20分で42%も忘れ、1時間後には56%、9時間後には64%を忘れる、
1日で30%というデータを得ました。
これをグラフで表したものが、有名な「エビングハウスの忘却曲線」です。
(グラフについてはyahooで検索してみてください)
人間の脳は、生命の維持に必要のないものはどんどん忘れていくようにできているそうです。
「これを暗記しないと、3ヵ月後には死ぬかも知れない…」なんてことはありません。
もし、大事なことをいつも忘れてしまいがちな人は、
脳がそのようになっているという特性をまず、理解したうえで、忘れない工夫をすることが大事になります。
その工夫とは人間の五感を活用することです。
目、耳、舌、鼻、触のなかで情報の処理速度が一番高い器官はどこかといえば、
視覚 1000万/秒
聴覚 10万/秒
触覚 100万/秒
味覚 1000/秒
触覚 10万/秒
意識 70/秒
となっています。
つまり大事なことはメモにして、見えるところに貼る、または手帳を毎日見る、
などして目に焼き付ける作業が最も効果的ということです。
よく成功者が自分のなりたい姿を写真にして部屋中に貼るなどと言うことがありますが、
そのイメージを脳に自然に焼き付けることで成功していく可能性が高まるのは
科学的にも間違っていないといえそうです。
お読みいただきありがとうございました。