今回は、今!経営者が押さえておきたいR7概算要求等(経産省・厚労省)ポイントと資本制劣後ローン終了/マイナ保険証一本化をご紹介します。
- 【人事・労務】マイナ保険証一本化:労務担当者が今準備すべきこと
- 【経営・財務】資本制劣後ローン:2024年12月末で終了
- 【経営・財務】R7年度概算要求より:【経産省編】
- 【経営・財務】R7年度概算要求より:【厚労省編】
マイナ保険証一本化:労務担当者が今準備すべきこと
2024年12月2日から、「マイナンバーカードと健康保険証の一本化」がスタートします。これにより、現行の健康保険証の発行が廃止され、マイナ保険証への切り替えが求められます。
- 資格情報のオンライン随時確認・電磁カルテ/電子処方箋
- 高額医療費の手続きが不要
- 転職・就職・退職・移動・引っ越し等で切り替え手続きが不要
- マイナポータルからe-tax連携し確定申告の医療費控除手続き
***医療機関・利用者双方にメリット***
- マイナンバー未登録者や利用未登録者への対応
オンライン資格確認システム未導入医療機関(現時点で1割未満)
業務フロー、労働担当者/従業員自身の対応
- マイナ保険証情報の確認:登録済従業員情報の確認、登録完了していると資格情報のお知らせが送付
- 未登録者の確認:資格・登録を促す(申し込みは生涯に1回のみ、本人が行う)
- 取得・登録に応じない従業員への対応を検討:個人の侍従である為強制できない。 施行後1年間は経過措置⇒その後は保険者より「資格確認書」が交付される
- マイナンバーカード未取得・未利用登録で取得/利用登録を行う場合:医療機関のカードリーダー、マイナポータル、セブン銀行ATMから実施
- 未取得・未利用を継続する場合:資格確認書の受領(有効期限5年、経過措置終了後に発行)
資本制劣後ローン:2024年12月末で終了
重要な支援策の終了が迫っています!
新型コロナ禍で多くの企業が利用した「資本制劣後ローン」が、2024年12月末をもって終了します。このローンは無担保・無保証で自己資本として扱われるため、金融機関からの新規融資が受けやすくなるのが最大のメリットです。
- 限度額:最大15億円
- 返済期間:5年1か月、7年、10年、15年、20年のいずれか
- 利率:融資後3年間は0.5%
- 対象:コロナ禍で債務を抱え、経営改善計画を策定した企業
R7年度概算要求より【経産省編】
2024年の概算要求に基づく中小企業向けの補助金・助成金制度は、経営の効率化や省力化に寄与するものが多数あります。
1000億円(令和5年度補正より導入)
(既存基金の活動等含め総額5,000億円規模 事業再構築補助事業を再編) 中小企業の人で不足解消のため、loT/ロボット等汎用製品をカタログから選ぶ省力化投資を支援
- 補助率:1/2以下
- 補助上限額:200万(従業員5人以下)~1,500万(同21人以上)
既存基金の内数
上記と同様の「中小企業等事業再構築促進基金」にて通常の予算措置とは別に展開。但し2024年7月末締切の第12次以降、第13次の予定は2024年9月末現在未発表。
350億円(昨年度360億円)
工事・事業場において実施されるエネルギー消費効率の高い設備への更新等を支援
- 設備単位型:補助率1/3以内・上限額1億円
- エネルギー需要最適化型:補助率1/2~1/3以内、上限額1億円など
20億円(新規)
中堅・中小企業の持続的な賃上げのため、省力化等の生産性向上と事業規模拡大のための拠点新設や大規模設備投信を支援
- 補助率:1/3
- 補助上限:50億(加減10億)
経営力向上計画に基づく一定の要件を満たす設備投資に対する即時償却または税額控除の延長、売上高100億円超への成長を目指す中小企業の設備投資に対する上乗せ設置等の検討
生産性向上や賃上げに向けた設備投資について固定資産税を軽減する措置の延長等
R5年度補正2000億円
R7概算要求には計上されていないが、R6補正予算での追加が想定されるモノづくり補助金、持続化補助金、IT導入補助金、事業継承・引き続き補助金が継続される見込みと予想。
R7年度概算要求より【厚労省編】
ほとんどの項目で今年度
22億円(8.2億円)
事業場内最低賃金の引き上げに取り組む中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援、設備投資等を助成
- 助成率:3/4、4/5
- 上限額30~600万円
※R7:地域格差に配慮した助成区分再編・支援時期見直し、生産性要件廃止
623億円(645億円)
職業訓練・教訓練習の実施等の支援を助成。労働者の体系的な職業能力開発、企業内の労働者のキャリア形成促進
※R7:訓練終了後賃上げを行った場合の助成額を引上げ
962億円(1106億円)
非正規雇用労働者の企業内のキャリアアップを促進、正社員転換、処遇改善の取組を実施した事業主に助成。
【令和7年度の賃金規定等改定コース】有期雇用動労者等の賃金規定等を3%以上増額
- 【3~4%未満】1人当たり4万円中小企業以外2.6万円)
- 【4~5%未満】5万円(3.3万円)
- 【3~6%未満】6.5万円(4.3万円)
- 【6%以上】7万円(4.6万円)
※R7:区分を新設、6%以上の場合の助成額引き上げ
7.6億円(6.9億円)
高年齢労働者の労働災害を効果的に防止するための対策を支援
- 職場環境改善コース【既存】高齢労働者の身体機能低下を補う設備/装置/労災防止対策(補助率1/2・上限額100万)
- 転倒防止や腰痛防止のためのスポーツ・運動指導コース【既存】
転倒防止や腰痛予防のための運動指導等に関する経費(補助率3/4・上限100万) - コラボエルスコース【既存】コラボヘルス等労働者の健康保持増進のための取組
- 補助率:3/4
- 上限額:30万円
- エイジブレンドリー総合対策コース【新規】専門家によるリスクアセスメント、その結果を踏まえ優先順位の高い対策に要した経費(機器等の導入・工事の施工等)
- 補助率:4/5
- 上限額:100万円
70億円(71億円)
生産性向上に向けた設備投資等の取組に係る費用を助成し、労働時間の削減等に向けた環境整備を支援
※R7:賃上げ率3%、5%に加え7%の場合の助成を強化
補助金や助成金の詳細についてのご相談や、マイナ保険証の一本化に関する対応準備についてのアドバイスをご希望の方は、ぜひ弊社までご連絡ください。
本日もお読みいただきまして誠にありがとうございました。