今、経営者が押さえておきたい!今月のトピックス: フリーランス新法、「経営力強化」創設、雇用保険適用拡大(2028年)/リスキリング支援の拡充

こんにちは、株式会社サークル・ウィン 山本有紗です。

人手不足を前に、中小企業経営者の皆様にお伝えしたい情報があります。今年は賃上げと補助金の活用が注目される年となります。経営環境の変化や社会的要請に対応するため、適切な対応が求められます。以下に、具体的なポイントをご紹介いたします。

■目次
[人事・労務]フリーランス新法 2024年11月1日施行へ
[経営・財務] 経営力強化保証制度(略称:経営力強化)の創設
[人事・労務] 雇用保険の適用対象拡大(2028年より)、リスキリング支援の拡充


①[人事・労務]フリーランス新法 2024年11月1日施行へ
働き方の多様化によるフリーランス事業者や副業の増加を背景に、フリーランス新法が2024年11月1日に施行されます。フリーランスの労働環境保護・整備を目的とした法律ですが、業務委託をしている事業者へ義務や罰則が課せられることになるため、確認しておきたい内容です。

【フリーランス新法とは】
☑2023年4月28日可決、2024年11月1日施行
☑正式名称「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」
組織に属さず、雇用関係にないため労働基準法などの適用がないフリーランスの労働環境を整備し、保護することが目的。

【対象となる事業者/取引の定義】
⇒個人/法人問わず、従業員を雇用しているかどうかが基準

☑対象となる事業者
 フリーランス=「特定受託事業者」:従業員を雇用していない個人/法人
 発注元=「特定業務委託事業者」:従業員を雇用している個人/法人
※フリーランス同士の取引は対象外
※「従業員」=週20時間以上、31日以上継続雇用見込みの雇用者

☑対象となる取引
 業務委託=物品製造、情報成果物の作成または役務の提供など
※単純な売買契約や、BtoCの取引は対象外

【発注事業者の義務】
☑契約条件を書面(メール等)で提示する
 業務内容、報酬の額、支払期日その他事項など※まだ具体的に決定されていない
☑60日以内に報酬を支払う
 月末〆翌月末支払いが基本。ただし再委託の場合は、元請けから発注事業者への支払から30日以内となるため、月末〆翌々月15日支払なども可能となる。
☑広告等の募集情報は正確かつ最新の情報を掲示
 実際より高い報酬額や別の企業名での募集などの虚偽情報、誤解を与える表示や、既に募集を修了した案件を削除しないなど古い情報の表示等を禁止。
☑フリーランスの労働環境整備に努める※対象は継続的業務委託のみ
 フリーランスからの申し出に応じて出産や育児、介護と業務との両立に配慮すること、ハラスメント行為に対する相談対応など。

【禁止事項】
①一方的に受領を拒否すること
②一方的に報酬を減額すること
③一方的に返品を行なうこと
④著しく低い報酬の額を不当に定めること
⑤自己の指定する物の購入・役務の利用を強制すること
 また、次の行為によってフリーランスの利益を不当に害することも禁じられる
①自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させること
②一方的に内容の変更またはやり直しをさせること

【罰則】
フリーランスに業務を委託する事業者がフリーランス新法に違反すると、公正取引委員会ならびに中小企業庁長官または厚生労働大臣により、助言や指導、報告徴収・立入検査などが行われる(履行確保措置)。
命令違反や検査拒否などがあると50万円以下の罰金に処せられることもある。
※発注事業者の従業員が違反行為を行えば、事業主である法人も罰則の対象となる

【新法成立の背景】
2020年に行われた内閣官房「フリーランス実態調査結果」では、フリーランスの約4割が取引先とのトラブルを経験していると回答していました。またそのうち約3割が、「交渉せず、受け入れた/自分から取引を中止した」と回答しており、泣き寝入りのような対応が常態化しているという状況があります。
一方でフリーランスの市場は大きく拡大しており、拡大する市場を健全化するため、法整備による取引の適正化が推進されています。

画像出典:内閣官房ホームページ https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/freelance/dai1/siryou13.pdf

②[経営・財務] 経営力強化保証制度(経営力強化)の創設
2024年7月1日より信用保証料の減免を受けることができる全国統一制度「経営力強化保証制度(略称:経営力強化)」が開始されました。これを受けて、本制度に準拠した保証料補助のある融資制度が各都道府県信用保証協会で創設されています。

「経営力強化」とは…
【条件】
 事業計画の策定など、金融機関と認定支援機関の連携支援を受けること。
 金融面だけでなく、経営の状態を改善する取組のサポートを受けることができる。
【メリット】
 通常の信用保証料率区分よりも1区分低い料率が適用される。
【義務】
 策定した事業計画に則り、四半期に一度の業務進捗報告義務がある。

③[人事・労務] 雇用保険の適用対象拡大(2028年~)、リスキリング支援の拡充
R6年5月、雇用保険法等の一部の改正がありました。段階的に拡大している雇用保険の適用範囲は、2028年からは週所定労働時間10時間以上の労働者が対象となります。
ほか、2025年より自己都合離職者の給付制限について教育訓練の実施により制限を緩和するなど、リスキリング支援の充実が図られます。

雇用保険適用対象の拡大
☑R10年10月1日~
☑目的:多様な働き方を支える雇用のセーフティネットを構築。

所定労働時間 週20時間以上 → 週10時間以上で適用へ
※これにより雇用保険の被保険者及び受給資格者となる者については、求職者支援制度の支援対象から除外しない。

リスキリング支援の拡充
①自己都合離職の失業手当給付制限の見直し 
☑R7年4月1日~
☑目的:労働者が安心して再就職活動を行えるようにするため。

現行の原則:
自己都合退職者は、雇用満了翌日から2か月間(5年以内の3回目以降は3か月間)の失業手当給付制限がある。

見直し:
離職期間中や離職日前1年以内に、自ら雇用の安定及び就職の促進に資する教育訓練を行った場合給付制限を解除し雇用保険の基本手当を受給できるようにする。
+
原則の給付制限期間を2ヶ月から1ヶ月へ短縮(5年間で3回以上自己都合離職の場合は3ヶ月のまま)。

②教育訓練給付の給付率上限引き上げ 
☑R6年10月1日~
☑目的:教育訓練給付(厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講・修了した場合にその費用の一部を支給する制度)の「効果=賃金上昇や再就職等」を高めるため、効果に応じた給付率上乗せを行う。

専門実践教育訓練給付金
(中長期的キャリア形成に資する専門的・実践的な教育訓練講座を対象)
→教育訓練の受講後に賃金が上昇した場合、現行の追加給付に加えて、更に受講費用の10%(合計80%)を追加で支給する。

特定一般教育訓練給付金
(速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練講座を対象)
→資格を取得し就職等した場合、受講費用の10%(合計50%)を追加で支給する。

③教育訓練中の生活を支える給付の創設 
☑R7年10月1日~
☑目的:労働者の主体的な能力開発を支援するため、生活費等への不安なく教育訓練に専念できるようにする。

雇用保険被保険者が教育訓練を受けるための休暇を取得した場合に、基本手当に相当する給付として、賃金の一定割合を支給する教育訓練休暇給付金を創設する。


④ 賃上げで活用できる補助金
政策により生産性の向上と賃上げを目指す企業に対して、補助金の支給額拡大枠が設けられています。
例えばものづくり補助金などでは、革新的製品・サービスの開発やプロセス改善等に係る設備投資に対して最大4,000万円補助してもらえます。また、一定の賃上げを行った事業者に対し、さらに補助上限額が100万円〜1,000万円引き上げられます。

詳しくはこちら⇒https://www.circle-win.com/new/wp/wp-content/uploads/2024/04/202404_newsletter.pdf


⑤ 人材確保等支援助成金の活用

人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)は
生産性の向上や賃金アップ、離職率の低下を目指す事業主の皆様へ、厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークが提供する支援制度です。
<助成額>80万円
<申請期間>
人事評価制度等の実施日または評価時離職率算定期間の末日の翌日から2か月以内
詳しくはこちら⇒https://www.circle-win.com/new/wp/wp-content/uploads/2024/04/2024_jinzai_jyoseikin.pdf


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本日もお読みいただきまして誠にありがとうございました。

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