こんにちは、株式会社サークル・ウィン 山本有紗です。
2020年12月15日に「令和2年度第3次補正予算案」が閣議決定されたことに伴い、経済産業省のサイトで経済産業省関係資料が公表されました。この資料には第3次補正予算で募集される補助金について数多く記載されていますが、今回はその大きな目玉である【事業再構築補助金】について、2月28日時点でわかっていることをお伝えします。
下記が2月15日に中小企業庁より発表された事業再構築補助金の概要となります。
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/pdf/summary.pdf
1.対象者
新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す、以下の要件をすべて満たす企業・団体等
(1)申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等
(2)事業再構築指針に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行う。
(3)認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する。
・補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)も参加して策定する。
・補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、
又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(グローバルV字回復枠は5.0%)以上増加の達成を見込む
事業計画を策定する。
2.補助金額・補助率
この補助金は、企業規模、取組内容に応じて補助金額・補助率が4つのパターンに分かれています。
(1)中小企業(通常枠)
補助金額:100万円以上6,000万円以下
補助率 :2/3 採択企業数の上限はありません。
(2)中小企業(特別枠)
補助金額:100万円超500万円以下(従業員数5人以下)
補助率 :3/4(中堅企業は2/3)
補助金額:100万円超1,000万円以下(従業員数6~20人)
補助率 :3/4(中堅企業は2/3)
補助金額:100万円超1,000万円以下(従業員数21人以上)
補助率 :3/4(中堅企業は2/3)
※通常枠の申請要件を満たし、かつ、緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、 令和3年1~3月のいずれかの月の売上高が対前年または前々年の同月比で30%以上減少している事業者
(3)中小企業(卒業枠)
補助金額:6,000万円超1億円以下
補助率 :2/3 採択企業数:400社限定
計画期間内に 、「組織再編」「新規設備投資」「グローバル展開」のいずれかにより、
資本金又は従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者向けの特別枠。
(4)中堅企業(通常枠)
補助金額:100万円以上8,000万円以下
補助率 :1/2(4,000 万円超は 1/3) 採択企業数の上限はありません。
(5)中堅企業(グローバルV字回復枠)
補助金額:8,000万円以上1億円以下
補助率 :1/2 採択企業数:100社限定
以下の要件を全て満たす中堅企業向けの特別枠です。
①直前6ヶ月間のうち売上高の低い3ヶ月の合計売上高がコロナ以前の同3ヶ月の合計売上高と比較して、
15%以上減少している中堅企業
②事業終了後35年で、付加価値額又は従業員一人当たり付加価値額の年率0%以上増加を達成すること
③グローバル展開を果たす事業であること
3.事業再構築補助金の申請には【GビズIDプライム】が必要
事業再構築補助金の申請は、「jGrants」(電子申請システム)での受付を予定しています。
その利用を行うためには、【GビズIDプライム】が必要となります。
GビズIDは、1つのID・パスワードで様々な行政サービスにログインできるサービスです。
GビズIDのHP外部リンクにある「gBizIDプライム作成」からアカウント発行申請ができます。
GビズIDプライムの発行には、申請から通常2~3週間要します。
(発行申請の状況によっては、3週間以上要する場合がございます)。
この補助金のご活用をお考えの方は、事前のID取得をお勧めします。
GビズID ホームページ
https://gbiz-id.go.jp/top/index.html
4.事業再構築補助金はいつから募集されるのか?
2月15日に発表された「事業再構築補助金の概要」によると本年3月と書いてあります。
ただ「事業者の方々が事前に申請の準備をしていただけるよう、公募開始前には公表することを予定しております」
の記載があることから、公募要項は3月初旬に発表され、応募は3月中旬から下旬から開始されるのではないかと考えられます。
5.事業再構築補助金を申請する上で押さえておくべき事
この補助金を申請する上で押さえておくべきことがあります。
(1)経営革新等支援機関のサポートが必要
この補助金の対象要件のひとつに「自社の強みや経営資源(ヒト/モノ等)を活かしつつ、経産省が示す「事業再構築指針」に沿った事業計画を認定支援機関等と策定した中小企業等」というものがあります。
申請するには、経営革新等支援機関のサポートが必要となりますので、今から経営革新等支援機関の専門家を確保しておくことをお勧めします。
(ちなみに当社は経営革新等支援機関です。ご相談等はお気軽にお問合せください。)
(2)小規模事業主や個人事業主も対象になる事業再構築補助金は、「中小企業(通常枠)」「中小企業(特別枠)」 「中小企業(卒業枠)」「中堅企業(通常枠)」「中堅企業(グローバルV字回復枠)」と5つの枠に分かれています。
「中小企業」「中堅企業」と法人やある程度の規模の企業対象のように見えますが、小規模事業主や個人事業主も対象になります。
(3)経営革新計画の承認を取得
補助金の内容を見てみると、「経営革新計画の承認」を取得することで、上乗せポイントがつきそうです。
この補助金を申請する前に、「経営革新計画の承認」を取得することをお勧めします。
(4)ものづくり補助金との併用は不可
この補助金は、「ものづくり補助金」と重複するところが結構あります。
原則として、同一の事業や機械装置等に対して、複数の国の補助金を受給することはできませんので、併用は不可なります。
ただし、他の国の補助事業とは別の事業を行う場合は、補助対象となり得ます。
この補助金は今回の3月だけでなく、令和3年度に複数回実施する予定のようですが、桁が大きいだけに予算が枯渇する可能性はあります。
早めの申請をお勧めします。
まずは、「GビズID」と「経営革新計画の承認」の事前取得を行っていきましょう。